経営戦略 - 全社戦略

全社戦略の基本

事業活動を行う領域のことを ドメイン という。 ドメイン は自社の能力を規定し、コアコンピタンスの延長線上にある。

ドメイン設定のポイントは、顧客、技術、 機能 である。誰に対し(顧客)、どのような技術で(技術)、どのような価値(機能)を提供するのか。

ドメイン設定にあたり、ドメインを広げ過ぎないようにすることを、 分散化 の回避という。経営資源を超えた活動をしないように、事業活動の領域を設定する必要がある。

ドメイン設定にあたり、ドメインを狭め過ぎないようにすることを、 過度の集中化 の回避という。集中化し過ぎても事業展開を制約することになる。マーケティングの近視眼と呼ばれるもの。

企業の販売する製品分野が多様化することを 多角化 という。新たな分野に進出するため、リスクを伴う。全社戦略をきちんと立てる必要がある。

企業全体の事業を俯瞰する手段として、商品- 市場 マトリックスがある。これにより対象とする顧客と他の商品との関連性等が俯瞰できる。

 

アンゾフの成長ベクトル

商品-市場マトリックスを企業の成長戦略と組み合わせたものに、 アンゾフの成長ベクトル がある。これは、商品と市場を軸としたマトリックスを、それぞれ新規・既存に細分化したものである。

アンゾフの成長ベクトルでは、既存商品-既存市場の組み合わせは 市場浸透 戦略である。この戦略は、今ある商品を、今の市場で、どのように売上を伸ばしていくかというもの。

アンゾフの成長ベクトルでは、既存商品-新規市場の組み合わせは 市場開発 戦略である。この戦略は、今ある商品を、新しい市場で、どのように販売していくかというもの。

アンゾフの成長ベクトルでは、新規商品-既存市場の組み合わせは 商品開発 戦略である。この戦略は、今の市場に、新しい商品をどのように販売していくかというもの。

アンゾフの成長ベクトルでは、新規商品-新規市場の組み合わせは 多角化 である。この戦略は、新しい商品を、新しい市場に販売していくというもの。

 

売上高-利益率マトリックス

社内の各事業を経営成績で区分し、分析する手段の一つに、売上高- 利益率 マトリックスがある。これは、売上高の大小、利益率の高低に分けて考えるというものである。

売上高-利益率マトリックスでは、売上高が大、利益率が高の事業は 最重要 事業である。この事業は企業の大黒柱である。

売上高-利益率マトリックスでは、売上高が小、利益率が高の事業が 利益貢献 事業である。新規事業ではまずここを目指す。

売上高-利益率マトリックスでは、売上高が大、利益率が低の事業が 固定費回収 事業である。売上高が大きく目立つが、利益貢献はあまりしない。しかし、固定費の大きい事業には必要。

売上高-利益率マトリックスでは、売上高が小、利益率が低の事業が 要撤退 事業である。撤退を含めた見直しが必要。

 

PPM

複数事業の管理方法で、市場の成長率と自社の相対的市場シェアのマトリックスを プロダクトポートフォリオマネジメント という。PPMともいう。

PPMにおいて、市場の成長率が高く、相対的市場シェアも高いものを 花形製品 という。売上が拡大するため多くのキャッシュ入るが、同時に投資を拡大するためキャッシュの流出も多い。

PPMにおいて、市場の成長率が低く、相対的市場シェアは高いものを 金のなる木 という。市場が成熟段階にあり投資は少なくて済むが、シェアが大きいため、最も儲かる製品。

PPMにおいて、市場の成長率が高く、相対的市場シェアも低いものを 問題児 という。新規参入した場合に該当する。問題児に投資して花形製品にすることが、将来の成長に繋がる。

PPMにおいて、市場の成長率が低く、相対的市場シェアも低いものを 負け犬 という。撤退またはコストダウン等の見直しが必要。市場は成熟しており、キャッシュアウトは少なくて済む。

市場魅力度 と事業地位を軸とした3×3マトリックスが、PPMの発展型として考案された。複雑で難しいが、詳細な分析ができる。


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タイトル 経営戦略 - 全社戦略
作成者 fuwari
タグ 経営戦略
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